2015年9月25日金曜日

ナチュラル

ウォッシュド
コーヒーチェリーを摘み取ってから果皮・果肉を取り除いて乾燥させる精製方法。

ナチュラル
摘み取った実を実のまま乾燥して脱穀する精製方法。

パルプドナチュラル
実から果皮を取り除き、果肉を残して乾燥させる方法。コスタリカなどではハニー精製とも呼ばれますね。


やはり一番独特で、個性的なのはナチュラルでしょう。
発酵したような甘い香りを生豆の段階から強く感じます。

カフェテナンゴの定番、
カサブランカ農園のカツーラナチュラルはストロベリーのような甘いフレーバー特徴的です。
少し煎りが進むと味噌のような風味もでてきます。


初めて良いナチュラル精製のコーヒーを飲む人は、その甘い香りに必ず驚くことでしょう。


私もびっくりしました。

学生の頃、スペシャルティコーヒー専門店でナチュラルを発見。
店主さんが「甘い香りがしますよ」といいます。
「ちゃんと感じ取れるかな」と思いつつ注文します。

一口飲んで、「んッ!?」と驚きました。

おかしい、コーヒーを注文したはずなのに、こんなにわかりやすく甘いはずがない。
それがナチュラル精製。 衝撃でした。フルーツジュースみたいだ。
エチオピア・イルガチェフェナチュラルG1でした。

その日からナチュラルにハマってしまって、
豆を買うときも、ナチュラルを見つけると「お!あったあった」といった感じ。

ウォッシュドももちろん良いけど、ナチュラルは裏切らないんだ!
そんな感覚だったのかもしれません。




しかし、今ではウォッシュドの方が好みなのです。
もちろんナチュラルもパルプドナチュラルも好きですが、ウォッシュドが一番
洗練された芳醇な果実味が心地良いですね。

そうなったのは、前回の記事で書いたパタゴニアの経験が大きかったのかもしれません。
ウォッシュドの可能性に気づかされました。


しかし、衝撃を受けたという意味で、お店で飲んだエチオピアイルガチェフェナチュラルG1も忘れられない一杯です。
内側がオレンジ色のWEDGWOODのカップだったと思いますが、
その色合いや軽さなどが、コーヒーの香味と絶妙にマッチしていて、一枚の写真のように脳内に焼き付いております。


カップも大切ですね。

最近は紙コップやマグカップでカジュアルに提供するお店が増えているので、なんだか寂しく感じます。
もちろんそれらの良さもあるのですが。。。 ちょっと気持ちが伝わりにくい気がします。


店主のブログでも紹介がありましたが、「安清式 木の器」

新しくて面白いですよ! 深沢店で試飲の際、ぜひお試しくださいませ。

(店主ブログ: http://ch.nicovideo.jp/cafetenango/blomaga/

masa




2015年9月18日金曜日

忘れられない一杯

更新が少し遅れてしまいました。
申し訳ございません。

9月も半分過ぎています、あっという間です。

9月30日(水)~10月2日(金)は、東京ビッグサイトにてSCAJ2015がありますね。
全国のコーヒー関係者、各国の生産者などが集まるビッグイベント。

【昨年のSCAJ】

出張中にお会いした方とまた再会できるかもしれません。わくわくです。


SCAJ後まもなく、
10月3日(土)~4日(日)は、世田谷パン祭り。
三宿にて開催されるパンのイベント、世田谷と全国各地のパン屋さんが集結します。
カフェテナンゴもパンに合うコーヒーをテイクアウトで販売いたします。

そのコーヒーはなんと 
パンドラ・デ・ファティマ。

昨年のエル・インヘルト農園のオークションで単独落札したパカマラ種です。
この農園のパカマラ種は世界最高との呼び声高いスペシャルコーヒー。


パンに合うのはもちろんのこと、
コーヒー単体で極上の味わい。パッションフルーツやピーチ、アップル、杏やダークチョコ。
重厚なフレーバーが口内から全身に広がりますよ。
是非ともたくさんの方に体験していただきたいです。

毎年カフェテナンゴはこの農園のパカマラ種を落札しています。
今年もまもなくファティマに次ぐパカマラ種を発売いたします。 乞うご期待!!



2年前でしょうか、
私の中で忘れられないのは【パタゴニア】
学生の頃に、初めて飲んだエル・インヘルトのパカマラ種です。
もちろんカフェテナンゴから。

学生だったこともあり、少し勇気をだした買い物。
ほかの豆との価格の差が気になってしまいました。

ある日のお昼、家に豆が届きいつものようにハンドドリップ。
終わって一口飲みます、


・・・・!!


もう、目をパっと大きく開いて、「ハッ!」としました。
言葉はでずに、ただただ、「これはすごい」と心の中で。。。
嗅覚は一度嗅いだ香りは覚えるので、二口目はもっとハッキリと香りを感じ取り、
冷静に感動しました。

家で一人で黙々とひたすら感動していたのを覚えています。


その日の夜。
夜は、帰った父親の分もコーヒーを淹れます。
といっても淹れる量は変わりません。分けるだけです。

パタゴニアの価格の話をしたら「そんな高いのよく買ったな」と驚きます。
普段はスーパーの挽いてある豆かインスタントしか飲まない父親。

淹れて、渡して、一口飲むと。


「 あ、 なるほど。」

と一言。


嬉しかったです。
コーヒーは安さで選んでいた父親がこう言ったのでした。
おいしいは主観的だからどうだろうかと思っていましたが。
いえいえ、おいしいものはおいしいのです。

パタゴニアの次の年にカフェテナンゴが落札したのは【ノーブルエイジ】
樹上追熟させたパカマラ種。こちらも熱狂的なファンの多い豆でした。

その翌年が【パンドラ・デ・ファティマ】
一年近く販売しているので知っている方も多いでしょう。素晴らしいです。
パタゴニアは緑、ノーブルエイジは紫、ファティマは赤。その色の果実を連想させます。
それぞれ共通のフレーバーはあります。しかし、異なるキャラクター。

この農園のパカマラ種はすごい!

■パンドラ・デ・ファティマ
http://www.cafetenango.jp/shopdetail/000000000352/049/P/page1/recommend/

masa

2015年9月11日金曜日

出発 (2015年出張最終日)

聞香杯
お茶の香りを嗅ぐための器です。
中国茶の世界です。
先日、浅草の【カフェつむぐり】での、「薬膳カレーと中国茶とコーヒー」のイベントを受講させていただきました。
その時に初めてコーヒーの聞香杯を経験しました。
これは面白いですよ。
コーヒーに限らず、なんでもまず香りを聞くことがとても楽しい。
すごく勉強になりました。

と同時に。
コーヒーの楽しみ方ってまだまだ無限大なんだろうなと感じました。

フードペアリングだってそうです。
この食べ物のこの部分の香りを際立たせたいからこのコーヒーにするとか、
強すぎるこの香りを抑えたいからこのコーヒーにするとか、
選び方も組み合わせも無限大です。

食べものでなくても、たとえば、この曲を聴くときはこのコーヒー、読書のときはこのコーヒー
なんてペアリングがあっても良いかもしれません。

「そんなの」と思わずに、少し意識して、比較してみると、合うものと合わないものが出てくるかもしれません。

楽しいです。コーヒー


さてさて。


とうとう出張最終日の報告です。

出張中の出来事や得た知識などはすべて一冊のノートに書き留めていて、
このブログはそれを見ながら書いているのです。

最終日早朝、タラスの宿から、
ラ・リアのルイスさんが首都サン・ホセに用事があるとのことなので、乗っけていってもらいます。

車の窓から、タラスの景色を眺めます。

ノートには、「車中、物凄い開花を見る。タラス」
と書いてあります。

そうです。  
なんと
山の斜面いっぱいにコーヒーの開花

真っ白です。
この山も、あっちの山も、あの斜面もそこらじゅう。 
窓をあけて、香りを楽しみます。
神秘的すぎます。

昨日の雨のおかげ?  
確かにサン・ロレンソのお祭りにいたときはずっと激しく降っていました。

もう
感動です。  
ごめんなさい。写真はありませんが、嘘ではありません。

山を下る私たちを、開花した木々が見送ってくれているような。
コーヒーが、「じゃあね。まったねー!」と言ってくれているような。
そんな気持ちで言葉を失い、ただただ眺め、車は走っていきます。


さて、サン・ホセ


ルイスさんは別の用事、その用事が終わるのを待つため
ここで朝食をとります。
左側の機械は、チキンです。回って焼かれています。

【このレストランの名前 カリエンテ・カリエンテ】

Caliente 「熱い」という意味です。

「あっつあつ」 でしょうか?

【ルイスさんを待つ時間にタイムラプス。とくに意味ないです(スマホでは再生できないかもしれません)】

ルイスさんが来たので、
エクスクルーシブコーヒーへ連れて行ってもらいます。

EXCLUSIVE COFFEE
スペシャルティコーヒーの輸出会社です。

【ラ・リアのサンプルをカッピング】

うわ。素晴らしい。
ラ・リアのレベルの高さに感銘をうけました。

ここで出会ったコーヒー
もうすぐ入荷・発売予定です。果てなく素晴らしいです。お楽しみに!

【エクスクルーシブのハビエルさんがサンプルをロースト】

カッピングも終え、ルイスさんとはここでお別れ。
今回のコスタリカ出張、ラ・リアにはとてもお世話になりました。ありがとうございました。


ここから、マンゴープラザというデパートにある【ドン・マヨ カフェ】へ向かいます。
ドン・マヨ精製所のもつカフェです。


【ドン・マヨ カフェ】

オシャレで清潔感もあり、東京にあってもおかしくないレベルです。
スタッフさんも外国人だと気付き、英語で丁寧に接客してくださいました。

【豆の情報もしっかり提供】

ホテルや空港にも近いので、ターゲットは外国人なのでしょう。
価格も高めです。

【軽食も】


さてここからサンホセ中心部へ向かい、ホテルへ。

わぁーさすがコスタリカの首都だ。栄えている!

最後に、買い物を済ませます。
お土産やフリホーレス、マサデマイスなど。

夜はコスタリカ料理を食べ、ホテルで就寝。

次の日は朝食後、タクシーで空港へ。

コスタリカからアメリカヒューストンへ。
ヒューストンにて、飛行機に乗った後、「パイロットが来ないので降りてください」というアナウンス。
乗客もスタッフも「なんだそりゃぁ」。
そんなプチイベントをこなして。帰国です。

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中米出張2015が終わりました。

この報告を読んでくださった方々、誠にありがとうございました。

はじめての中米。
コーヒーがやってくる場所。

世界地図で見ると狭い場所ですが、とても個性的な国々・人々・コーヒーが集まっています。

扱っている豆がどこから来ているのか。
実際に産地を訪れ、知ることで、理解が深まり、納得ができ、イメージがふくらみ、
そして、感謝ができる。

この出張は大変貴重な刺激となり、
目標や自分の位置を再確認できた素晴らしい機会となりました。
気を引き締めて仕事して、成長しよう。


このブログは毎週金曜更新で引き続き書いていきます。
コーヒー、中米、日常のことなど。
今後ともよろしくお願いいたします。

masa





2015年9月4日金曜日

ドン・マヨ (コスタリカ3日目)

この前、ミッション・インポッシブル ローグネイション観てきました。
すごい体力、筋力、演技力ですねトム・クルーズ。
現在53歳なのですね。
アクション映画観た後は、筋トレしなきゃなと思いますよね。
いつインポッシブルミッションがやってくるかわからないです。


さてさて出張報告の続きです。
コスタリカ3日目。
この日は、ドン・マヨの精製所と農園を見せていただく。

ドン・マヨ精製所
当店ではベジャ・ビスタ農園ラ・ロマ農園でお馴染み。(どちらも今年は完売してしまいました。)
とてもファンの多いマイクロミルです。

ドン・マヨのパブロさんが迎えに来てくださり出発。
ご自宅で息子さんをピックアップして農園へ。

【パブロさんの運転で】

なんとドン・マヨは首都サン・ホセにカフェも持っているのです。
まさに「種からカップまで」ですね。素晴らしいなぁ。
最終日に行きましたので来週金曜の報告にて。。

ドン・マヨは一つの斜面に4つの農園を所有しています。
すべて地続きで、農園というより区画に近いのです。

当店が扱っていたベジャ・ビスタとラ・ロマはお隣同士、斜面のトップに位置します。

ベジャ・ビスタ農園はカツーラよりもカツアイのほうが多く植えてあり。
ラ・ロマ農園はカツーラのほうが多い。

標高が高いところだとカツーラよりもカツアイのほうが多く実をつけるとのこと。

パブロさんは
太平洋側のここの気候は乾いており、2000-2100mという高地でもコーヒーは育つ。
しかし、ウエストバレ-などのカリブ海側の気候は湿気が多く1700mくらいが限界なのではないかと言っておりました。


では、
まずはじめに  ラ・ロマ(La Loma)
頂上」の意味。

【ラ・ロマからの眺め】

ビジャロボス、ゲイシャ、カツーラ、カツアイ などが植えてあります。

写真の正面、平らな土地はジャノという農園。同じ斜面にあるドン・マヨの農園です。
ジャノ、平ら」という意味。
ちなみにそのもっと奥にラデーラ農園があり、「傾斜」という意味です。

ここラ・ロマは、植えてから約15年の木々。
もうそろそろ植え替えてもいいのだが、高地なので植えてから収穫までは時間がかかる。とのこと。
低地では2年ほどで収穫できるが、高地では5年ほどかかってしまう。
様々な計算をして実行。農園管理も大変です。

さて上の写真を撮った位置から同じ道を少し進むと
「ここからがベジャ・ビスタだ」

え、もう!?

【ベジャ・ビスタ農園】

色が鮮やかですよね。タラス地区。こういう場所ですよ、きれいです。
美しい景色」の意味のこの農園。
その通りです。
上の写真から左を向くと

【同じ位置からの眺め】

こんな景色です。



ついに来れました。この場所からあのカツーラ達は来ていたのか。

今年は完売してしまったのが残念ですが、また必ず飲みましょう。

さて続いて、ドン・マヨが新しく買ったラス・ヌーベス農園へも連れて行ってもらいました。


【道中、道を通るために木を除ける店主】

標高は1800mほど。
パブロのおじさんが持っていた区画に買い足したそうなので、5年のブルボンが植えてあったりします。
しかし、まだまだこれから、楽しみですね。


さて次は精製所へ。

【ドン・マヨ精製所】

ドン・マヨとはパブロのおじいさんの名前。
おじいさんが亡くなった時に建てた精製所なのでおじいさんの名前をつけたそうです。



【記念撮影】



精製所のまわりにも コーヒーが植えてある小さい区画があります。
しかし、メインはやはりベジャビスタのあったあの斜面なのだそうです。

一通りまわって、ドン・マヨ訪問は終了。

パブロさんにサンロレンソまで送ってもらいました。
【サンロレンソのお祭り】

ここでパブロさんとお別れ。
お世話になりました。ありがとうございました。

とほぼ同時にリアのオスカルさんと再会!!

このお祭りは、食事ができたり、美術品を売っていたりします。
メインはセリ、オークションです。
終始活気のある会場でした。

【チチャロン(豚肉)】

【ゼリーの上にアイスが乗った、デザート】

チチャロンは物凄くかたかった。引き締まりまくりです。アゴが疲れました。
デザートは見た目ほどくどくもなく、どちらもおいしかったですよ。

その後宿へ戻り、オスカルさんと夕食を食べ、この日は終了です。
オスカルさんとここでお別れ。
大変お世話になりました。



農園や精製所へ行くのはこの日が最後。
次の日は出張最終日。

タラスの宿で朝まで寝ます。


それではまた来週!

masa